2011年3月17日木曜日

空売り。

証券会社に20年在籍していたので、一般の人よりも株価の習性は理解しているつもりだ。3月11日午後2時46分、大きな揺れを感じた時に、私がポジションを持っていたならば、まずは東北電力の株を1万株、空売りしたと思う。震源地は三陸沖、イコール女川原発の事故、大惨事、東北電力株の翌週からの暴落って図式が目に見えているからだ。
ところが、実際には福島第一原発を持っている東京電力の方が、叩き売るには格好のターゲットだったのだ。不謹慎この上ないが、相場の世界は鉄火場なので何でもありだ。
3月11日、午後2時46分からの14分間の内、冷静に大引けで東京電力を空売りできた冷徹な投資家は日本に何人いただろうか?
3月11日の東京電力の終値は2121円。出来高は700万株を超えているので成り行きで売らなくても大引けで発注すれば1万株や2万株程度の空売りは楽に成立したと思う。
ここではコストを考えないで、仮に2121円で2万株の空売りをしたとしよう。建玉は4242万円だ。縁起悪い数字だな、しかし。土日を挟んで、3月14日、株価は500円安の1621円。3月15日、株価は400円安の1221円。3月16日、株価は300円安の921円。3日連続のストップ安と相成った。この日の大引けでも売り注文が殺到してるわけだから、この大引けの921円でゆったりと2万株を買い戻したとしよう。
利益はいくら?コストは計算に入れてないからシンプルに引き算してみるよ。
4242万円で売建てた東京電力株を921円の2万株だから1842万円で買落ち(反対売買)するってわけだ。なので差し引き2400万円の現金が4営業日目の22日には手に入るって計算になる。こんなことが、実際に起こるのが相場の世界だ。働くのがアホらしくなるでしょ?
私はといえば、その時間、たまたま自宅にいて、犬と一緒に寝ていたのだ。「犬を守らねばならない」と思いつつ、実際には私1人が家を飛び出し、江戸川方面に走り出た。
いざとなったら、自分1人が助かりたい。そんな私はスペシャルの凡人だなって思う。こーゆー時、天才は14分間の時間を千載一遇のチャンスと捉え、巨万の富を生み出す。
「あーあ」って感じかなぁ。マジ、才覚ないわ。

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