2010年1月31日日曜日

シャネル&ストラヴィンスキー。

株式会社シネカノンが民事再生法適用を申請した。負債総額47億円。JALよりマシじゃんねー。映画に限らず、遊びの要素が高いものをお金に変える仕事って、やっぱ難しいんだなーって思う。映画って、これからはインドや中国が牽引していくカルチャーだけど、なんてゆーのかなー、西洋の映画も頑張ってーってゆー感じ。さて、久々に映画を観てきたよ。場所は銀座和光裏のシネスイッチ銀座。この映画館で観た映画は心にスウォッチ、失礼、スイッチが入るケースが多々ある。今日のはココ・シャネルとイゴーリ・ストラヴィンスキーの恋物語。実話。有名人同志が実は付き合っていたってゆーことって、案外多いのかなって気付きがあった。そーいえば、吉永小百合と渡哲也も昔、交際してたらしいもんねー。ま、それはそれとして。
私にとってのストラヴィンスキーって、中学のブラスバンド部員時代に、今の京都市交響楽団のチューバ奏者、武貞茂夫氏と一緒に行ったクリニックの先生に紹介された、変拍子の「春の祭典」が最初だった。2拍子が1小節、その次が3拍子が1小節、そのまた次が4拍子でやっぱり1小節。これは当時としては革命的であったので、初演のパリ公演ではブーイングの嵐だったようだ。で、その会場に、ファンの1人として聴きにきてたのがココ・シャネルというわけで、彼女の猛アタックにより、ストラヴィンスキー一家はシャネルの別荘の囚われの身となってしまう。
最初から最後までシャネルのシナリオ通りに事が運び、彼女と彼は大きな洋館のなかで逢瀬を重ねることに。元々病弱な彼の奥さんはこのことで、益々衰弱していく。
「春の祭典」に触発されたシャネルは、強烈なインパクトがあり、匂いの消えないマンボNo,5、失礼、シャネルNo,5を発売し、このお化け商品はマリリンモンロー御用達の香水として今もアメ横で田舎者の女性達に好評を博し続けている。個人的には19番が好きだけどね。この2人の天才同志はお互いを高めあって生活を楽しんだものの、彼の一家の家庭内での不協和音は洋館に冷ややかに響き続けた。でもまあ、どこの家庭でも不協和音はあるのだし、ストラヴィンスキーは不協和音と変拍子で成功したのだから、しょうがないのかもしれないなー。あれあれ?ここで、「幸せーって何だっけ、何だっけ」とゆー明石家さんまのCMソングが口をついて出てきてしまうのは何故なんだろう?
ポンズ醤油は買えても、人間は全てを手にすることはできない。それが結論かなー。
シャネル役のアナ・ムグラリスは、まずまずの好演で、用意周到な演技がかえって自然で素晴らしかった。佳作の映画って、重くなくていいわ。〇。「トリスタンとイゾルデ」なんて、ヘビー過ぎるもん。

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