2010年1月25日月曜日

サルヴァドール・ダリ著「私の50の秘伝」を読んで。

本屋で衝動買いをしてしまうことが、たまーにある。
個人的なことをゆーと、私には絵の才能が全くない。てゆーか、デッサン力の無さはコンプレックスを抱いてもいいくらいのレベルだと思う。それでも絵を観ることは比較的好きで、菱田春草の「王昭君」とかクロード・モネの「ひなげし」とか、ウジェーヌ・ブーダンの「トゥルーヴィルの海岸」を眺めると、それなりにうっとりし、心が洗われる思いがする。
サルバドール・ダリの「私の50の秘伝」を読んだところで、私が突如、キャンバスに平山郁夫ばりの点と線を著すことなんてことが不可能なのは承知の上で、パラパラとページをめくってみた。なので、私の視点は極めて皮相的かつ断片的でしかないけど、ちょっとご紹介してみる気になったのでお付き合いくださいね。
まず、スペイン人のダリは6歳のときに、ナポレオンになりたいと思ったがなれなかった。そこで15歳のときにダリになりたいと思って、ダリになることに成功したのだという。天才って、変わった発想がオーソドックスにできる。そんな彼が45歳の時、フランス語で著したこの本は、ただひたすら、絵が上手くなる秘訣を具体的に披露している。
その内容は、とにかく、絵を長期間にわたって計画的に描き続けることが必須条件で、そのための手段として、普段から奥さんに優しくして、セックスは30分でいいから毎日、昼に行いなさいと書いてある。そして、脳と手と目を大切にし、酒は飲むなと言っている。これはピカソがモディリアニに忠告したことと同じだなぁ~。そして、1枚でも多く絵を売って金を儲け、生活を豊かにすべきだと説いている。
そして、犬や猫は仕事の妨げになるから室内に飼ってはいけないが、蜘蛛は愛すべき友人なので飼いなさいと主張している。ふーん。
尊敬する画家はイタリアのラファエロ、オランダのフェルメール、スペインのベラスケスの3人だと断言しているが、この意見には私も従わねばならない。でも、ルノアールとかマネなんかは彼に最低の評価をされているけど、何故なんだろうか?
あと、芸術的な絵画に適さない色の絵の具に、肌色、プルシャン・ブルー、エメラルド・グリーンがあり、反対にコバルト・ブルーとセルリアン・ブルーには絶対の信頼を置いていて積極的に使いなさいと諭している。この感覚は、完全なプロサイドなので、私には、さっぱりわからんのう。
高天原にいる人の言っている意味は、凡人には伺い知れない世界だけど、この本を何回か読むことで日常生活の中で気分転換ができ、ちょっとした暇つぶしになることは間違いない。なので、オススメはしないけど、興味のある人だけどーぞ。

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