2009年7月18日土曜日

弔うし。


トムラウシで亡くなった方々に合掌。うーん、以前、旭川勤労者山岳会に所属し、現在も旭川の倶楽部イコトンテ(加藤浩二会長)とゆー山岳会のメンバーである私としては看過できない山岳事故が起こってしまった。単独でトムラウシ山に登った男性が1人死亡。ガイド4人を含む19人のパーティーのうち8人が死亡。美瑛岳に登った男性ガイド3人、女性客3人の6人パーティーのうち女性客1人が死亡。なので計10人が他界したことになる。本件が後世に語り継がれる山岳事故の1つになろうことは間違いない。
私は以前、トムラウシ温泉からのピストン山行を日帰りでやった経験があるし、旭川勤労者山岳会のIさんとゆー変わり者のオバサンは天人峡温泉からの日帰り山行をやってのけたくらいなので、悪天候でなければ、まともな登山経験者なら、こなせるコースであるとは思う。
しかしながら、今回も、いろんな問題が散見された。死者に鞭打つのは酷ではあるが、今後のこともあるので辛口の指摘をしておきたい。
まず、ツアー登山について。パック販売になっている一商品であるところの旅行登山は多額のコストがかかるが故に、参加者はどうしてもピークを踏んで帰りたい。だから悪天候でも行っちゃうし、ガイドも引き返す決断ができにくい。次に中高年のバカな登山者の増加で、個々人の技量が落ちてきているとゆーこと。彼らは団塊の世代より上の人が多く、意外なことにバランス感覚に乏しく、素直に技術の向上を図ろうとゆー人は少数派である。金は出すから連れて行け。そんな匂いがするよ。山岳ガイドには私の師匠、荒木富美雄さんのよーな超一流の方から、大学を出て、就職も出来ず仕方なくガイドのアルバイトを余儀なくされているよーなオニイチャンガイドまでいる。トムラの19人パーティーのガイドのうち、このコースをしっかり歩いたことのある経験者は1名だけであったとゆー驚愕の事実!びっくりしたなぁーもぉーっ。あと、装備の問題。北海道の2000mは北アルプスの3000mと同じであるとゆー山の常識をご存知だったのかなーと思う。登山用の新素材でできた下着を何人の人が着用していたのかが甚だ疑問だよ。3泊4日の行程ならば少なくとも4枚の登山用下着は各自が持っていないといけない。低体温症になるまえに、重ね着すればいいことだけど、ガイドからそーいった指示があったのかしら?もし、ゴアテックスの雨具の代わりにビニール製の雨具しか着用してなかったり、新素材の下着の代わりに綿の下着しか持っていなかったとすれば、それ自体が自殺行為なんだと思うよ。実際にはどうだったんでしょうーか?あとは、ガイドがビバーク用の小型テントと寝袋を複数用意していたかどうか、もしくは風速15m以上の突風のなかで、短時間でテントの設営をやれる実力があったかどうか?テントをフィックスする技術-たとえばテントを細引きでハイマツに縛り付けたり、石を積んで固定したり-をガイドが持っていたのかどうか?もう1つ、行動食の準備がこと足りていたのかどうか。これも、疑問符が付くよ。
てなわけで、これは、人災でもあるよーな気がしてるよ。平均寿命が女性86.05歳、男性79.29歳と伸びたことで起こる悲劇でもあるんだなー。ツアー客も経験充分であったとか、曖昧な報道がなされてるけど、そもそも経験豊富な人はツアー登山なんか行かないってば。ネパール行っても、現地でガイドの調達を自分でやるもん。ツアー登山客の、お金払ったんだから連れてってもらえるって思ってるところに、慢心とゆーか落とし穴があるよーに思う。緊急時に、ガイドなんてぜーんぜん役に立たないことを、私は自分の経験で知っている。
ところで、この夏、私が危惧することは、映画「剱岳・点の記」を観て感動した中高年が、にわか登山者となって本人が滑落事故を起こしたり、周りの登山者を巻き込んでしまわないことを、切に願うよ。

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